ウイグル人5人に死刑判決

ラビアさんが来日中に合わせてきたのでしょうか、ウイグル人5人に死刑判決が出されました。

産経新聞

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/world/100012/
独立派5人に死刑判決 新疆ウイグル自治区
 中国新疆ウイグル自治区カシュガル地方裁判所は11日までに、同自治区を中心とした「東トルキスタン」独立派幹部らがテロ活動を準備、爆発物を製造していたとして、国家分裂罪などで5人に死刑(うち2人は2年の執行猶予付き)、1人に無期懲役の判決を言い渡した。新華社が伝えた。
 新疆では今年1月、当局が、独立派の「テロ訓練基地」を攻撃し「テロリスト」18人を殺害したと発表。被告の6人はその際、逮捕されたとみられ、2005年以降、活動家に訓練を行うなどしていたという。
 新疆にはイスラム教徒のウイグル族が多数居住、独立運動が根強く続いており、中国当局は来年の北京五輪を控えて警戒を強めている。(共同)

 
朝日新聞

http://www.asahi.com/international/update/1112/TKY200711120032.html
中国、国家分裂罪などで5人に死刑判決
 12日付英字紙チャイナ・デーリーによると、中国新疆ウイグル自治区カシュガル地方裁判所は8日、同自治区ウイグル族主体の国家「東トルキスタン」建国を目指す独立派幹部らがテロ活動を準備していたとして、国家分裂罪などで5人に死刑(うち2人は2年の執行猶予)、1人に無期懲役の判決を言い渡した。
 判決によると、6人は05年からテロ組織を結成し、訓練基地で約16キロの爆薬を所有。数十人の活動家らに爆弾の使い方を教えていたとされる。同自治区ではウイグル族独立運動が続いており、当局は来夏の北京五輪に向け警戒を強めている。

 
5人が死刑判決で、そのうち2人が2年の執行猶予付き、1人に無期懲役刑となっています。
この事件が起きたのは今年の1月8日で、そのときに出された記事は以下のようになっています。
 

http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20070108i314.htm
 【北京=杉山祐之】中国の通信社・中国新聞社電などによると、中国・新疆ウイグル自治区の公安当局は8日、同自治区パミール高原地帯で、今月5日にテロリスト18人を射殺、17人を拘束した、と発表した。
その際、自家製の手投げ爆弾22発、製造中の手投げ弾1500発以上を押収した。
同電によると、射殺、拘束されたのは、新疆独立を目指すテロ組織とされている「東トルキスタン・イスラム運動」のメンバー。
パミール高原に訓練キャンプを設置、そこを拠点にテロ活動を行っていたという。
公安当局側は摘発の過程で反撃を受け、要員1人が死亡、1人が負傷した。

 
このときに拘束された17人のうちの6人に、今回判決が下ったということのようです。この事件が起きた場所はコスラップというパミール高原の村で、1990年に起きたバリン郷事件と同じカシュガル地区、アクト県にあります。
http://d.hatena.ne.jp/sabit/20070115
 
武力闘争は行わないと明言している世界ウイグル会議ですが、この17人が拘束されたことについては、ラビアさんが国連の査察を受け入れるよう要求していました。
ここ数年の在外のウイグル団体は「分離・独立」から「人権問題と民主主義」の方向に主張をシフトさせて行っています。東トルキスタン問題を国際的な問題として取り上げてもらうのには、この戦略で正解だと思います。チベット問題も同じようにして国際的な広がりを持つようになりましたしね。
これに対して中国は「テロリスト」という言葉を使って、国際社会に認知させようと懸命です。同時多発テロ以降のアメリカの「テロとの戦い」は、テロリストと言えば自国内の反対勢力を押さえ込めるという良い口実を中国に与えてしまったようです。それ以前のウイグル人の民族独立勢力はテロリストなどとは呼ばれずに、「反動分子」「民族主義者」「反革命主義者」「民族分裂主義者」「分離主義者」と時代に合わせて呼び方が変わってきました。
民族主義」や「分離主義」などはそのままの呼び方ですし、「反動分子」や「反革命」などはその時の中国のイデオロギーに対しての敵という言い方だったわけですが、ここにきていきなり「テロリスト(恐怖分子)」な訳です。自国内だけで通用する敵からいっきに国際的な敵に仕立て上げようとしている狡猾さが見えます。まあ欧米諸国もその辺は分かっているようで、ETIMだけは国際テロ組織として認知しておきましたけど、だからといって中国の「テロリストの引渡し」には易々とは従ったりはしていません。
 
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