[社会問題] 東トルキスタンでのHIV/AIDSについて

東トルキスタンでのHIV/AIDS罹患者がすごい勢いで増加しているようです。

mig_21fishheadさんがご自身のブログで取り上げておられますが、

http://blogs.yahoo.co.jp/mig_21fishhead/37366664.html
 
ウイグル自治区が直面する深刻な問題。
それは、エイズです。
 
エイズ問題は、ウイグル人だけでなく、漢民族、その他の民族にも等しく大きな被害を与えています。
 
既に発病している人に加え、潜伏期の患者を加えると物凄い数になるだろうと言われています。
 
キルギスと同じくウイグル自治区に隣接するカザフスタンの某大学医学部で学ぶ家内の従妹などは、
エイズウイルスのサンプルなんてウイグル自治区で簡単に入手できる。』と言うほどです。
 
それにしても、何故陸の孤島の様なシルクロードの奥地でエイズが流行しているのでしょう。
理由はいろいろあるのですが、そのうちのひとつに麻薬の蔓延があります。
 
ウイグル自治区で出回っている麻薬は、多くがアフガニスタン産です。
アフガンから警備が手薄な(もしくは賄賂しだいでナンとでもなる)地域を越えて入ります。
 
従来、アフガン麻薬の多くは、欧州に流れていました。
ところが、欧州ルートの取締りが厳しくなったため、一部が中国に流入し始めました。
 
この麻薬服用の際使われる注射器を使い回したため、感染が爆発的に広がったのです。
 
注射器使い回しは今もそのままで、感染防止に歯止めがかかっていません。
また、中国の麻薬流入阻止策も功を奏していません。

というように、今東トルキスタンではHIV/AIDSの患者がすごい勢いで増えています。
僕も現地の旅行に行く前に、十分に注意されました。きちんと性病対策しないと危ないよとw
僕は臆病者ですから、AIDSの怖さもですけど売買春で逮捕されるのが怖いので、最初から「買う」というのは旅行の目的に入っていませんでしたけどね。
僕の素性を調べたりなどされていないだろうと思っていますけど、もしかしてというのもありましたしね。
 
で、現地のウイグル人に聞いたのですが、ウイグル人の中ではAIDSに関してのある噂が飛び交っているのだとか。
それは、料理屋でAIDS患者が爪楊枝を使い、それを元の場所に戻して感染者を増やそうとしている、というものw
唾液ではまず感染しませんし、歯茎から血が出るほどほじくらなければ問題ないんですが。
その話をしてくれたウイグル人の方は、怖くて料理店で爪楊枝を使えないそうです。
と、どうでも良い話ですが、とにかく現地ではAIDSの流行はすごそうです。
 
感染経路ですが、これはmig21_fishheadさんもご指摘のように、麻薬の注射使いまわしが大きいとされています。
そして、中国当局の発表によると、HIV罹患者の多い省は河南省広東省、広西チワン自治区新疆ウイグル自治区雲南省となっています。この感染地域の広がりを見ると東南アジアのゴールデントライアングルからのルートに乗ってきたHIVがあるのではないかと考えられます。

ちょっと古いですが2005年の読売の記事:

http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/iryou_news/20050703ik07.htm

中国のエイズ感染ルート 薬物と合致
「黄金の三角地帯」から流入
 
急速に感染者が増える傾向にある中国のエイズは、インドシナ各国と中国国内を結ぶ交易拠点・雲南省を“拠点”とした薬物密売ルートと重なる形で感染を広げている可能性の高いことが、日本の国立感染症研究所チームによるエイズウイルス(HIV)の遺伝子分析でわかった。
 
 感染研エイズ研究センターの武部豊室長らは、流行ルート解明のため、雲南省の感染者のHIVの遺伝子型を調べ、中国各地やタイ、インドなど周辺の国々で流行したHIVとの関係を推定した。
 
 その結果、雲南省西部のHIVには、88年からタイで流行した「タイ型」と、インドとタイで流行したHIVが遺伝子組み換えを起こして生まれた「混合型」があることがわかった。
 
 この混合型から新たに生まれたタイプが新疆ウイグル自治区に感染を広げ、やはりこの混合型から生まれた別の新タイプが広西チワン族自治区に感染を広げたことも判明した。

 
もちろんアフガニスタン産の麻薬のルートによるHIV東トルキスタンに入り込んでいるはずです。中央アジア諸国でもHIV罹患者が増えていると言われていますし。
蛇足ですが、タリバンが権力を握っているときには、アフガニスタンでの麻薬栽培を撲滅しようとしていました。でも政権から追い落とされた現在では、お金になる麻薬の栽培にタリバン自信が関わるようになっているとか。カルザイ政権も麻薬栽培の撲滅を訴えていますが、貧しい農民は麻薬を栽培せざるを得ないと。なんとも皮肉な話です。
 
ところで、ウイグル人の地域の集まり"マシュラップ"というのがありますが、これは収穫祭とか定期的に行う集まりのことで、ある年齢に達しこの会に参加できるようになったときに、地域社会への参加も意味しているそうです。楽しむということも目的ではありますが、この地域の集まりというものが、若者が酒やドラッグなどに手を染めるのを予防していたと言われています。
で、このマシュラップに対して、中国当局が目を光らせているようで以前ほど自由に開催することは難しくなったとのことです。地域のウイグル人が大勢集まる訳ですから、中国当局側としてもあんまりやって欲しくないものなんでしょうねえ。そういえば、1997年2月のイリ事件も、当局がマシュラップを禁止、制限したことをきっかけに始まったデモでした。
マシュラップについて、以前と同程度に自由にしておけば、東トルキスタンにおけるHIV/AIDSの広がりはもう少し緩やかにできたのではないでしょうか。
また中国全土でいえることですが、漢族に比べ少数民族HIV/AIDS罹患率は高いものになっています。これは教育不足によるものと考えられます。 

ともかくも、麻薬の注射回し打ち・性交渉によるHIV/AIDS感染予防のために、正しい知識の普及啓発と診断・治療はしっかりと行っていってもらいたいと思います。
  
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