ウイグル人移住による民族浄化政策

 
中国政府がウイグル族に対して新たな民族浄化政策を行っているそうです。
ウイグルアメリカ協会(UAA)のフォーラムに出ていたものなので、出典が明らかでない内容も含まれています。
以下超訳

http://www.uyghuramerican.org/forum/showthread.php?t=7019
 
The Chinese Government’s New Strategies in Ethnic Cleansing of the Uyghurs
 
中国は以下のような民族浄化政策を行っている。
 
・漢族の大量移住:1950年にはウイグル族85%で漢族は6%だったのが、2002年には漢族が40%にもなり、ウイグル族は45%を占めるに過ぎなくなった。
 
産児制限:臨月の胎児でさえ毒薬注射で強制堕胎させ、さらに新生児でさえ母親の目の前で殺害する。多数のウイグル女性が、貧弱な医療環境での強制中絶によって生殖能力を奪われ、また深刻な病気に罹ったり死亡したりしている。2006年に新疆ウイグル自治区共産党の総書記Nur Bekriが計画生育について「我々の地域では、計画生育政策はうまく実行されている。計画生育が実施されてから、出生数を350万人減少できた。」と発表した。
 
・漢語教育:2000年から開始され、大学からはじまり現在では中等学校までが、ウイグル語による教育が制限されるようになった。ウイグルの学校では1年生から漢語が必修となり、昨年からは幼稚園から漢語教育が行われるようになった。それと同時に、2000年からは毎年千人の中学生が中国内地に送り出され漢語学校で勉強しており、昨年からは年5000人に拡大された。更に今年は3万人の中学生が内地で勉強する予定だという。
これは中国語、中国の文化、中国の環境の下で子ども達を教育することが目的であり、子供たちを洗脳し、自らの言語や宗教、伝統を奪い去るために行われていると目される。しかしこれに異議を唱えれば、分離主義者として弾圧を受けるだろう。
 
・民族の習俗などへの制限:ウイグルの子供は信教の自由を厳しく制限され、伝統的文化や宗教から遠ざけられている。18歳未満の子供はモスクに祈りにいくことも、宗教活動への参加も禁止されている。ウイグル族の政府の役人や教師も同様に宗教活動が許可されていない。子供やティーンエイジャーへの宗教教育は非合法とされている。この結果、最近ではウイグルの若者の信仰とモラルが低下し、さらに様々な抑圧や経済的な差別などから希望を失い、ドラッグに溺れたりエイズに罹ったりするなどの深刻な社会問題を生んでいる。
 
更に2006年より、民族浄化政策の促進のため新たな段階に入った。
 
・新疆政府のウェブサイトで露見したことだが、4460人の田舎のウイグル女性が、雇用のために中国内地の都市へ移住することが発表された。この女性達は18-25歳の未婚者で、容姿端麗なものが選ばれた。もともと彼女らは経済的な理由で移住を希望したのだが、この中国政府の職業斡旋の悪巧みに気付き移住を拒否した。
 
・新疆テングリタグ・ウェブサイトによると、2007年2月2日に、新疆ウイグル自治区の貧困者削減事業の会合で「貧困から救済する」という名目の下、今後5年で中国内地へ40万人のウイグル人の貧農を移住させる計画だという。これは4回に分けて実行され、今年は第1回目として10万人のウイグルの若い農民が移住させられるという。
 

  1. ウイグルの農民が貧しいのは事実である。カシュガル、ホータン、アクス地区を含む、南部新疆は最もウイグル人の人口が多いが、ウイグル農民の平均年収は1000元(約15000円)で、生活することもままならない。この貧困の解消はもちろん歓迎である。
    しかし、ここでの問題は、なぜ若いウイグル農民を、遠く離れた中国内地で雇用するのかということである。そして地元新疆では、中国内地から来た中国人に対して職業斡旋をしているということである。
    中国政府の狙いが、ウイグル人の貧困の解消ではなく、同化を促進することにあるのは明白である。
  2. また、中国内地で働くウイグル女性の月給は450元であるが、同じ工場で働く中国人女性は2000元もらっている。同様に新疆での中国内地からの出稼ぎ労働者は2000-2500元もらっている。ウイグル人を安い労働力と看做しているのは明白ではないか。
  3. 失業者と貧困者というのは、新疆においては農村部だけではなく、都市部でも深刻な問題である。しかし農村部のウイグルの若者だけを移住させるのはなぜか。これは次のように考えられる。ウイグル人の80%は農村部に住んでいるが、彼らは貧しく教育程度も低く、また中国と地方の政府による重圧の下で生活している。そのため彼ら農村部のウイグル人の若者は、政府に従順で命令に素直に従う心理状態となっていると思われる。ウイグル農民は、新疆のウイグル人の人口の多数派ではあるが、最もおとなしくて弱い立場の人間であるといえる。だから中国政府はウイグルの農村部の人間から、移住計画を始めるのではないか。
  4. 他方、南部新疆は最も純粋なウイグル言語、文化の地であり、大くのウイグル農民は中国語や中国文化の影響を受けずに生活している。中国語の単語一つさえいえないウイグル農民が多数派である。中国政府が行う新疆での同化政策に対しては、この中国語を知らずに中国の文化の影響を受けていないウイグル農民が、ウイグルの文化的アイデンティティ保持のための最後の砦であると言える。だから中国政府は後憂を取り除くために、ウイグル農民の若者を選んで中国内地へ移住させ、同化しようとしているのではないか。また、中国内部でも失業者が大量におり、毎年1億人もの中国人が食を求めて移動している。教育を受けていないウイグルの若い農民を中国内地に移動する必要などあるのか。 

 
我々ウイグル政治団体は、この移住計画が中国政府とウイグル人との間に重大な問題を引き起こすと懸念する。衝突を避けるためにも、民主主義諸国、欧米諸国の政府、国際社会、国際人権組織は、ウイグルのおかれている状況に注目してもらいたい。我々は2000万のウイグル人の名の下に、ウイグルの若い農民を中国内地へ移住させる計画をやめるよう中国政府に対して圧力をかけるようお願いする。

 
ここで出てきた移住政策には3つありますが、この投稿者は農民の移住の問題について主に扱っています。しかしこの記事の出所としているテングリタグのサイトからは、移住計画についての文章は見つかりませんでした。
http://www.tianshannet.com/news/content/2007-02/06/content_1664256.htm
http://www.tianshannet.com/news/content/2007-02/04/content_1659919.htm
などが、僕が見つけたウルムチで開かれた自治区扶貧弁主任会議の内容です。これ以上は見つけることができませんでした。
 
学生を親元から離して中国内地で勉強させることについてですが、これは見つけられました。
http://www.xjdaily.com.cn/news/xinjiang/156775.shtml
新疆政府が少数民族の教育を改善するとのことで、高等学校の学生5000人を中国内地で勉強させる予定です。2005年は3075人、2006年は3990人で、26の町の45の学校がこのプログラムに参加しているようです。
 
この学生を中国内地で教育させることと、ウイグル人女性への就職斡旋については、他にも言っておられる方がいます。
こちらは在日のウイグル人で、イリハンさんというハンドルネームの方です。
 

http://m-pe.tv/u/page.php?uid=freeasia&id=12
※この声明文は、温家宝中国首相の来日に合わせ、在日ウイグル人の方からいただいたものです。
※本名は伏せています。
―――――――

ウイグル人として温家宝にもの申す

イリハン

 共産中国政府の温家宝総理は4月11日から日本を訪問する。私は在日ウイグル人として、温家宝に次のことを要求する。

1、政府と企業がグルになって若いウイグル人女性を中国本土に連行する行為を即座に中止させろ!
 東トルキスタンを支配している中国の地方政府は中国本土沿海部の企業とグルになって、もっと安い労働力として若いウイグル人女性を沿海部へ大量に強制連行している。連行されたウイグル人女性たちは労働状況が極めて悪い工場で長時間就労させられたり、容姿の優れたものはさらに風俗産業に強制的に売られてしまう。多くの親は自分たちの娘が一体どこに連れ去れて行ったか全く知らない。彼らのほとんどが東トルキスタン南部の貧しい農家なので、中国の沿海部まで行って自分たちの子供を探すのはまず不可能。泣き寝入りしかないのである。
 温家宝よ!東トルキスタン国民にこのような災難をもたらしている現地行政府のやり方を即座に中止させろ。

2、ソフトジェノサイドであるウイグル人に対する漢化教育をやめろ!
 ウイグル人の民族アイデンティティを根元から打ち切り、独立意識を永遠になくすために、共産中国政府は1990年代から東トルキスタンウイグル人学校で中国語教育を強制的に実施し、ウイグル語以外のすべての科目を中国語で行う改革を展開している。これに関連して、今まで中国人学校と同等の地位にあったウイグル人小中学校は相次いで強制的に中国人学校と合併させられ、中国語で授業が出来ないウイグル人やカザフ人の先生たちは追い出され、東トルキスタンの民族教育は抹殺されている。中国領内のすべての民族は平等であり、民族教育は各民族が自主的に行うべきとする『中華人民共和国憲法』は紙屑同然である。更に、共産中国政府はウイグル人の伝統や文化を全く知らないウイグル人をもっと早く育ち上げるために、毎年東トルキスタン南部の貧しい農家の子供1万5千から2万人を親元から離し、中国本土の大都会で完全な中国化教育を施してから、実家にもどしている。
 温家宝よ!ソフトジェノサイドである対ウイグル人漢化教育を即座にやめろ!

3、ウイグル人の人口を抑止する目的で東トルキスタンで実施されている計画出産政策を中止しろ!
 中国の公式発表では東トルキスタンにおけるウイグル人の人口は920万人とされている。163万平方キロメートルもの国土面積をもつ東トルキスタンでは土地も食料も余っている。14億人近く人口を持っている中国人同様にウイグル人にも“一人子”政策を押し付けことは、ウイグル人の“更なる発展”のためではなく、ウイグル人を地球から無くすための策略である。
 我々ウイグル人は中国の東トルキスタン国民に対する一人子政策には絶対反対!
 
2007年4月11日

 
いずれどこかの団体が正式にレポートしてくれるかもしれませんが(既に出ている?)、移住という手段による民族浄化政策が始まりつつあることを覚えておいてください。
 
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