クチャ爆破事件とカシュガル刺殺事件

中国:新疆襲撃 武装集団に数人の女、15歳少女も 掃討作戦で肉親失い報復?
http://mainichi.jp/select/world/news/20080812ddm007030149000c.html

中国新疆ウイグル自治区クチャ県で10日、公安局などが襲撃された事件で、15人の武装集団のうち少なくとも3人が15歳の少女を含む女だったことが分かった。
現地の医療関係者が11日、毎日新聞の電話取材に明らかにした。北京五輪の安全確保を名目とした中国当局ウイグル独立派掃討作戦で肉親を失った女たちによる報復テロの可能性が高まった。
 クチャ県公安局は11日に会見し、武装集団のメンバーはいずれも地元のウイグル族だったことを明らかにした。分離独立勢力や他の事件との関係は不明という。また、巻き添えになった一般市民1人が死亡し、死者は計12人になった。
 武装集団15人のうち8人は現場で警官に射殺され、2人は逃走中に追い詰められ自爆して死亡。2人が拘束され、3人は逃走中だ。関係者によると、拘束された2人と爆死したうちの1人の少なくとも3人が女だった。負傷して拘束後、病院に運ばれたメンバーは15歳の少女で、回復に向かっているという。射殺されたメンバーの中にも20歳前後の女が含まれていたとの情報もある。
 自治区当局は昨年1月、山間部の独立派訓練基地を急襲し18人を射殺。今年1月には区都ウルムチの拠点摘発で2人を射殺するなど掃討作戦を続けた。
関係者は「家族を失った女性が報復に利用されているのではないか」と話している。

毎日新聞 2008年8月12日 東京朝刊

 
爆破を企てたグループに15歳の女性が含まれるというところに、この問題が単なる「テロリスト」グループによる分離独立運動を超えた、根深い民族問題を感じさせます。
また、前回のカシュガルのときと同様、クチャでも3人の日本人記者らが拘束されました。
 
クチャは中国語の古い表記で「亀茲」、シルクロード交易で栄えたオアシス王国で、クマラジーヴァ(鳩摩羅什)の出身地としても知られます。今でもたくさんの仏教遺跡が残り、日本人旅行者にとっては魅力ある土地です。
 
で、もう一つ、先週4日に武装警察が襲撃されたカシュガルでまた「事件」がおきました。
 

新彊ウイグル自治区で襲撃、治安要員3人が死亡
http://www.afpbb.com/article/disaster-accidents-crime/crime/2505350/3211434

中国・新彊ウイグル(Xinjiang Uighur)自治区で12日、検問を行っていた治安部隊が、車両から飛び降りた一団に襲撃され、治安要員3人が死亡した。同自治区で過去1週間に発生した同様の襲撃事件としては3件目。
国営新華社(Xinhua)通信によると、事件が発生したのは現地時間午前9時(日本時間午前10時)ごろで、死亡した3人はいずれも刺し殺された。ほかに1人が負傷した。
襲撃事件は前週、武装警察拠点が襲撃され警官16人が殺害された国境の街カシュガル(Kashgar)から約30キロ離れたYamanyaで起きた。
中国政府は前週の犯行は、同自治区の分離独立を求める者たちによるテロ攻撃だと非難している。

 
前回の爆破事件やクチャでの事件は、トルキスタンイスラム党(TIP)による組織的な犯行という言い方がされていますが、今回のように爆弾を使わないナイフによる襲撃があったことで、抑圧されている人々の怒りが爆発したものであること、民間人によるものであることが段々と分かるようになるんじゃないでしょうか。
そもそもテロ組織が事件を起こすなら、警察や治安部隊のような警備の堅いところを狙わずに、もっと警備が緩くて人が多い「効率的」な場所で実行するはずです。
 
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