「デモ許可制」は「危険分子」を炙り出すための罠か

北京指定会場の「デモ許可制」名ばかり、申請したら拘置
http://www.yomiuri.co.jp/world/olympic/news/20080817-OYT1T00041.htm
 
 【北京=源一秀】北京五輪の期間中、中国当局北京市内3か所の公園内に限り事前申請を条件に認めるとしたデモが、五輪9日目の16日になっても一度も実施されていない。
 
 中国外務省の記者会見などでは、申請受理と許可の状況について外国メディアの質問が相次ぐが、「関係機関に問い合わせてくれ」の一点張り。五輪が始まっても、政府批判につながる異論を徹底管理で封殺する非民主的な体制に変化は見られない。
 
 国際人権団体に入った情報からは、デモ申請を徹底的に握りつぶす当局の姿勢が浮かび上がる。「ヒューマン・ライツ・ウオッチ」(本部・ニューヨーク)によれば、江蘇省蘇州の女医(48)が上京して、家屋をめぐる地元政府とのトラブルを訴えるため北京市の公安局にデモ申請したところ、地元当局者に通報され、強制的に自宅へ連れ帰された。また、家屋を強制退去させられた北京市民が7月末に申請したところ、「社会秩序を乱した」として30日間の拘置となった。官僚汚職撲滅を訴えるデモ申請のため北京市内の公安局を訪れた弁護士が、その場で拘束されたケースもあった。
 
 中国の人権や民主を監視するウェブサイト「維権網(CHRD)」も、新疆(しんきょう)ウイグル自治区河南省からのデモ申請者が北京市公安当局の同意を得た後、失跡したり、地元へ連れ戻されたりしたケースなどを伝えている。
 
 実際にデモの指定会場となった公園を訪れると、ピリピリした雰囲気が伝わってくる。紫竹院、世界公園とともに指定会場とされた朝陽区の日壇公園。園内を歩くと、2、3分に一度は必ず、警官に出くわす。13日からは、出入り口に警備要員が増員された。
 
 同公園内で9日、地元政府と母親の家屋をめぐるトラブルを訴えるデモを、無申請のまま実行しようとした山東省の男性によると、プラカードなどを出す準備をしていたところ、通報を受けた私服警官により、理由も告げられないまま公園外に排除された。その後、公安当局に母親が拘束されるなど、嫌がらせが続いているという。
(2008年8月17日00時40分 読売新聞)

 

CHRDの記事は以下のものです。新疆出身の人の部分だけ訳します。
 

http://crd-net.org/Article/Class9/Class10/200808/20080817094733_10072.html
8月初めに新疆出身のLi Jincheng (李金成)さんと河南出身のLiu Xueliさん(刘学立)がデモ申請をしたところ承認され、許可証は9日にもらえると言われた。しかし8月6日にLiuが眠っている所を北京警察に拘束された。北京警察は彼を河南の当局に渡し、強制的に彼を故郷に送り返した。Liは北京の鳥の巣スタジアムの近くで8月8日に「姿を消した」。それ以来誰も彼と連絡を取ることができない。

 
どちらも漢人のようです。デモをしても良いよと言いながら、実際に申請をした人は拘束されたり、失踪したり、地元へ連れ戻されたり。これでは「危険分子」を焙り出すための罠であったと見なされても仕方が無いのではないでしょうか。
中国の歴史上に前例がありますしね。有名なものでは、中華人民共和国建国後数年してから、毛沢東が出した「百花斉放百家争鳴」があります。「中国共産党に対する批判を歓迎する」という趣旨で、大衆の政治参加を促しました。しかしさまざまな政権批判が出てきたことで「百家争鳴」の運動は撤回され、実際に意見を出した人々は、その後の「反右派闘争」で処刑されたり、極寒地の労働改造所へ追放されたりなど、激しく弾圧されました。
 
今回の北京オリンピックは、オリンピック史上の汚点として記憶されていくことでしょう。IOCはオリンピックが終わってから北京オリンピックの評価を行う、と言ってます。しかし、期間中にも海外メディアからIOCに対しての批判がたくさんあがっているようです。
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/world/170439/
 

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