妊娠6ヶ月半の母親が強制中絶か

 
東トルキスタンでは「少数民族」が産んでも良い子供は都市部で2人まで、農村で3人までとなっています。で、これに違反すると違反金を要求されるのですが、払えない時には強制中絶が待っています。
今までどれだけの人がこの犠牲になったか分かりません。
今回妊娠6ヶ月で強制中絶されようとしているアルズグリさんの話が表に出てきたことで、在外のウイグル団体や人権団体が働きかけを行なっているようです。

http://www.uyghurcongress.org/jp/News.asp?ItemID=1226647389
今、グルジャ県ブラック村で新たな「計画生育」惨劇が起きる寸前まで来ている。

 この村の住民ヌリメメット氏とアルズグリさんは、後2〜3ヶ月で生まれるはずの子供を守るために、これまでにあらゆる努力をして来た。つまり、3人目の子供に妊娠したことを理由に当局から4万5千元の罰金を要求されたが、一家の経済状況はとてもそのような大金を払える状況にはなかった。胎児の安全のため(罰金を払わなければ強制中絶されてしまうため)、母親のアルズグリさんは出産までに村を離れることを選択した。しかし、アルズグリさんが村からいなくなったことを知った当局は、アルズグリさんの夫や両親を村の役所に拘束し、直ちにアルズグリさんを連れてくることを要求し、当局の言う通りにしない場合農地を没収するなどとして脅迫し続けた。
 両親が当局に拘束・脅迫されていることを知ったアルズグリさんは、仕方なく自ら村に戻ってきた。彼女が村に戻ってきた当日(2008年11月 11日)に、当局の人間がやって来て、妊娠6カ月半の胎児を強制中絶させるためにアルズグリさんを無理やり病院に連れて行った。現在、彼女はグルジャ市スデルワザ病院産科の2階にある第3号ベッドで子供(胎児)が殺されるのを待っている状況にある。
 上記は、アルズグリさんの家族(夫を含む)や病院の関係者に対するRFAの電話取材(11月12日)で明らかになった主な状況である。この情報が流れてから、海外のウイグル人組織及び国際人権団体などが彼女と胎児を救うために動き出した。下記は、翌日の取材で明らかになった状況である。

 病院側の一連検査の結果、アルズグリさんの健康状態に特に異常がないことが11月13日(木曜日)の朝に判明した。そこで、病院側は当日の午前10時に中絶手術をすることを決めた。
 RFAでは、この中絶手術を担当する医師(Liuと言う漢人医師)に電話し、妊娠6カ月の胎児を殺すことは人道的な道徳に反することなどを伝え、説得を試みた。Liu医師は、胎児の父が中絶に同意する文章に署名したことを指摘し、責任は胎児の家族側にあると主張した。RFAの記者が胎児の父であるヌルメメット氏を取材したところ、 当局に強制され、同意文章に署名させられたとヌルメメット氏は主張した。
 この緊急事態を受け、海外のウイグル人組織や国際人権団体などの責任者たちが病院に電話し、手術を数日遅らせてくれるよう病院側に求めた。そして、数日以内に中国上層部の関係機関などに働きかけることなどを伝えるほか、国際社会のこの声を無視して直ちに手術を強行したら中国の国際社会におけるイメージに悪影響を与えかねないことなども強調し、説得にあたった。
 11月13日(木曜日)の昼に行った取材では、病院側が中絶手術を遅らせるかどうかについて迷っていることが明らかになったが、当日の午後の取材では、中絶手術が来週の月曜日までに遅らせられたことが明らかになった。中絶手術を遅らせたのは、病院側の判断によるものだったのか、それとも行政の判断によるものだったのかは不明だ。
 アメリウイグル協会の関係者によると、この惨劇を止めるために、北京にあるアメリカ大使館も北京の関係者らに働きかけることにしているという。

 
計画生育に関しては、以前僕もまとめました。
http://d.hatena.ne.jp/sabit/20070304
 
新疆ウイグル自治区の人口と計画生育の条例によると、「少数民族」は都市部であれば2人まで、農村部であれば3人まで産んでも良い、ただし前回の出産から3年以上という決まりになっています。
今回のアルズグリさんですが住んでいるところは農村部、しかし3人目で強制中絶されそうになっています。
 

http://jp.epochtimes.com/jp/2008/11/html/d38595.html

アリジグルさんはすでに2人の子供を出産しているが、同自治区の農村では3人の子供を持つことが許されている。しかし当局は彼女が3人目を妊娠したと聞くと、病院へ行き堕胎するよう脅迫し、さらに夫のトチシン(Tohtisin)さんを脅迫して堕胎書にサインさせた。


 

http://www.rfa.org/english/news/uyghur/abortion-11172008112655.html
 
But while Tursun is a peasant, her husband is from the city of Gulja [in Chinese, Yining], so their status is unclear.
The couple live with their two children in Bulaq village, Dadamtu township, in Gulja.

 
奥さんは農村部であるが、夫は都市部から来た、だからどっちの扱いになるのか不明確なんだそうです。
しかし現在は2人とも農村部に住んでいます。
 
それにしても罰金約70万円というのはとんでもない額ですね。大卒で学校の先生をしている人で年収2万元、だから30万円くらいだったと思います。その地域の平均収入の1〜8倍の罰金というのがどれだけキツイかわかります。
 
ついでにRFAの記述で、
 

China's official Tianshan Net reported that population control policies in Xinjiang have prevented the births of some 3.7 million people over the last 30 years.

 
中国の公式サイト「天山ネット」が、人口抑制政策によって、この30年で約370万人の出生を阻止したと報告してます。
こんなのを堂々と報告できるということは、自分達の行いに後ろめたさが無いということなのでしょう。
日本人である僕らにとっても理解できないことですが、特に一神教であるムスリムの人たちには耐え難い問題であることを、無神論者達は全く分かっていません。

在外のウイグル組織や国際人権組織などが病院に連絡したそうですが、今日手術が行われるだろう、と旦那さんは言っています。
 
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