北京オリンピック・ボイコット

 
3月22日に、フランスの大統領候補者からオリンピックボイコットを求める声が上がりました。これは大量虐殺や民族浄化などを行っているスーダンに対して、国連制裁発動を妨げている中国の姿勢を非難するものとしてです。中国は人道上の問題よりも、自国のもつ石油権益を優先させているのです。
 

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070322-00000018-jij-int
北京五輪ボイコットの声も=ダルフール問題で中国批判−仏
(時事通信社 - 03月22日 07:12)
 【パリ21日時事】フランスで、ダルフール地方の紛争で国際的非難を浴びているスーダンと、同国に対する国連制裁を妨げている中国に対する批判が高まっている。次期大統領の有力候補からは、2008年北京五輪のボイコットを求める声まで上がり始めた。

 パリで20日、ダルフール問題解決を目指す民間団体主催の会議が開かれ、シラク大統領は国連部隊の展開に消極的なスーダンへの制裁を主張。これまで以上に踏み込んで同国を批判した。

 これに関連し、次期大統領候補のバイル元教育相(仏民主連合)は「中国が安保理決議に反対するなら、五輪をボイコットすべきだ」と明言。ロワイヤル元環境相社会党)も「北京五輪を利用して(中国に)圧力を掛けるべきだ」と強調した。 

時事通信社

 
スーダンに関連して今回のボイコットという話が出てきましたが、これよりもずっと以前から、中国の国内の人権の抑圧に対して、国際人権団体や、少数民族の諸団体などが北京オリンピックボイコットを呼びかけています。
平和の祭典といわれるオリンピックですが、これには自由と平等などの精神も含まれています。
国際オリンピック委員会IOC)のオリンピック憲章には、オリンピズムの根本原則があげられています。
 

オリンピズムの根本原則
http://www.joc.or.jp/olympic/charter/pdf/olympiccharter2004.pdf
 
2 オリンピズムの目標は、スポーツを人間の調和のとれた発達に役立てることにある。その目的は、人間の尊厳保持に重きを置く、平和な社会を推進することにある。
 
5 人種、宗教、政治、性別、その他の理由に基づく国や個人に対する差別はいかなる形であれオリンピック・ムーブメントに属する事とは相容れない。

 

人権を侵害し、少数民族を虐げ、宗教を抑圧している国が、オリンピックを開催する資格などあるのでしょうか。
国際オリンピック委員会IOC)は中国の人権侵害が改善されることを期待していると明言したようですが、これは完全に裏切られることになりそうです。
 
Amnesty Internationalは北京オリンピック開催に際し、中国政府に対して以下のことを要求しています。
http://web.amnesty.org/library/Index/ENGASA170212005
・死刑の廃止
・司法制度の緊急改善
・全国民に言論と結社の自由を与えること
表現の自由をインターネットや他のメディアを通じて行使しようとして投獄された人および良心の囚人の釈放
・1989年天安門事件での犠牲者の名誉回復
・強制立ち退きの中止

  
少数民族問題に関連した北京オリンピック・ボイコットは殿岡事務所がわかりやすい声明を出しています。
http://www.tono-oka.jp/beijing.html
私達は、スポーツと平和の祭典としてのオリンピックの価値を尊重し、その精神を尊重する者として、独裁政権による人権抑圧と、各民族への差別・迫害・文化絶滅政策が横行する中華人民共和国は、オリンピック精神に相応しくないと判断し、二〇〇八年のオリンピック開催地を変更することを、全世界の良心に訴えます。
 
 
国境なき記者団」ではそのままズバリ「Boycotting Beijing 2008」というサイトをつくってボイコットをよびかけています。
http://www.rsf.org/rubrique.php3?id_rubrique=174
(以下要約)
インターネットユーザー、チベット法輪功、外国人の学者、ウイグル人、民主主義活動家、外国人ジャーナリスト、法律違反者に対しての規制・抑圧が強化されています。これはIOCが2008年オリンピック開催地として中国を選んだことが、中国当局の励みになったのだと思われます。
IOC側は、オリンピック開催が中国の人権改善のきっかけになるだろうと考えていたようですが、これは全くの期待はずれでした。逆に「安全なオリンピックを開催するように」という課題を与えられた中国当局は、この目的のために反体制派の逮捕、社会の浄化、批判分子の検閲などを強化することになりました。
1936年のナチス・ドイツのときには、オリンピック・ムーブメントそのものが疑わしいものになってしまいました。1980年のモスクワオリンピックでは、50カ国以上がボイコットしたため、IOCは手痛い挫折を味わうことになりました。
同様に国際的なスポーツ・ムーブメントは、2008年の最悪な独裁国家によるオリンピックも、断固拒絶しなくてはなりません。
「Boycotting Beijing 2008」サイト上で、北京オリンピック・ボイコットの署名ができるようになっています。
  
 
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