ウイグル人が日本に期待すること

 
とあるウイグル人の方から、自分たちがいかに日本に親しみを感じているか、期待しているかを日本人に伝えて欲しい、と言われましたのでまとめてみました。僕自身、それほど長くウイグル人と付き合ってきた訳ではないので、ちょっと不正確な所があるかもしれませんが、ご了承ください。
また、これを見ているウイグル人の方で、ここはおかしいとか、日本人に伝えたいことがある、という方は匿名でコメント欄に書いて頂くかメールをください(ウイルスなしで)。
sabit_jp99@yahoo.co.jp
 
ウイグル人と接していますと、その相手の人が東トルキスタン問題に対しての活動をしているかどうかに関わらず、日本に対して大いに憧れと期待とを持っていることが分かります。日本にいる人が日本贔屓になるのは理解できるのですが、まだ海外に出たことのない人であっても日本には強い憧れを持っているようです。
現地の人の大多数は、海外に出ることすら夢のようなものですから、彼らには日本をはじめとした先進国はとんでもなく素晴らしい国のように思い描いている節があります。いや、中国以外の国はどんな政治を行っているのか、人々はどんな生活をしているのか想像できない人も多いものと思われます。
僕自身が現地で聞いた話では、今の若い人は日本とドイツに対して強い憧れがある、これは身近な電化製品や乗用車などで技術大国のイメージがあるためと思われます。歳取った人たちは中央アジアや中東など文化、宗教的なつながりのあるところへの親近感を抱くのと対照的ですね。また、日本や欧米などの旅行者も多いものですから、ある程度それぞれの国から来た人と接している人などからも、日本が好きになる人が多いと言われました。とある旅行社の方は、「私は日本人担当ですが、他の国の担当の方に自慢できるんですよ。日本人はマナーが良いし、騒がないし、こちらの言うことを聞いてくれるし、とっても良いお客さんです。」と言っていました。
まあ半分はお世辞だとしても、かなりの好印象なのは事実のようです。
 
日本に滞在するウイグル人に聞いた話では、テレビなどで日本のドラマやアニメが放送されていることもあり、現地のウイグル人にとって日本人は、とても礼儀正しく勤勉で思いやりがある人々と認識されているそうです。そのため、お客として日本人が来れば、今日はこっちの家、明日はあっちの家と呼ばれ、数日間は大歓迎されるのだそうです。欧米人は1日大歓迎されて終わりでしょう、とのことw
まあ、自国内で非常に窮屈な生活をしてきた人々ですから、日本をはじめ先進国に住むと、そこが素晴らしい国であると感じるのは分かります。
宗教や教育、政治的に色々と弾圧されているというのもありますが、窮屈な生活というのは日常の生活広範に渡って存在しています。例えば、家にトイレを作るときに、ウイグルの伝統的な家屋では建物の外にトイレを作るのですが、とある地区では当局から建物の中に作るよう命令が出されたそうです。また、自分の土地、庭に植える植物にも色々と言ってくるそうです。
だから自由な日本に来ると、どれだけ自分たちが窮屈に生活してきたのかが良く分かるようになるそうです。
日本に来て、親日にならずに帰る中国人も多いと聞きますが、ウイグル人に関してはそういう話を聞くことはあんまりないような気がします。むしろ、日本で生活していると、言葉や習慣で色々と大変なことはあるものの、日本の人は優しいから必ず助けてくれる、だからみんな親日的になるはずだと断言するウイグル人すらいるくらいです。(自信をもって断言してしまえるのもウイグル人らしいのですがw)

他に親日的な理由としては、中国と戦争したということもあると思います。まだ海外に出たことの無いウイグル人でも、戦争中は日本軍は本当に強く、中国などまったく歯が立たなかったと知っているようでした。「どうして日本は東トルキスタンまで来てくれなかったの!?」という悲痛な気持ちを持つ人もいるようです。僕が現地にいるときには、どうして日本はアメリカに戦争を吹っかけたんだと聞かれました。この質問の裏には、もしアメリカと戦争などせずに中国とだけ戦っていれば、日本は勝てたはずなのに、という気持ちがあったのではないかと思っています。
ウイグル人にとって、海外に出ることは本当に難しいらしく、先進国をあちこち回って比較した上でやっぱり日本が良い、と言える人はほとんどいないので、どれくらい客観的なものになるのかが分かりませんが、それでも日本に対しての強い期待が伺われます。

さて、礼儀正しく、優しく、勤勉なという日本人像ですが、実際に日本で生活してみると実はそれほどでもないと分かり、がっかりしてしまうウイグル人も多いようです。電車など公共の場所でのマナーの悪さも目立ちますからね。さらに日本の政府の、国益を無視した無軌道な政治運営にも、失望してしまう人が多いようです。中国の支配下で苦しむ彼らの中には、明日は台湾、そして明後日は日本が同じ境遇に陥るのではないか、と心配している方もいます。
 
東トルキスタンにとって日本が重要なのは、先進国で経済大国であるということだけではなく、中国人が一番入国しやすい先進国が日本であり、ここを窓口に他の国へ亡命できるということもあります。そしてこれだけでなく、今まで述べたように大多数のウイグル人が抱く親日的な思いもあると思います。世界ウイグル会議が、日本を次の重要な活動ポイントと考えるのも頷けます。
しかし、せっかく親近感を持って期待されているのに、他の国に亡命させるための通路としての役割しか果たせない日本はなんとも情けない国だと思わされます。
日本国内での情報発信の際に、東トルキスタンの弾圧の事実を知ってもらうのと同時に彼らの文化も知ってもらいたい、というところまでは僕も思っていました。しかしこれからは、東トルキスタンの人々はどれだけ日本に期待しているのか、ということを日本人に自覚してもらうことも重要であると思います。日本人は頼りにされるとそれに応えようと頑張りますしね。

 
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