東トルキスタンについて

 
以下チラシ用にまとめた文章です。
歴史的背景と弾圧について、それから東トルキスタンの人々の人柄や文化などを盛り込もうと思って書きました。初めて東トルキスタンを知る人への紹介ということもあり、少々物足りないかなという所があるかと思います。
 
 
 東トルキスタンとは、現在は中国の「新疆ウイグル自治区」と名づけられている地域の名前です。ペルシャ語でテュルク(トルコ)の土地をトルキスタンと言い、西トルキスタン旧ソ連中央アジア諸国にあたります。
 ここは、シルクロードの舞台として、東西の文明の交わる地点であると同時に、独自の文化と歴史を持った地域として繁栄してきました。しかし18世紀に清朝に征服され、19世紀には「新しい領土」を意味する「新疆」という名の一つの省として支配されました。
その後回族軍閥ソ連軍、新疆政権などによる騒乱を経て、1933年と1944年に東トルキスタン共和国として独立を果たします。しかし1949年に中国共産党の陰謀により、国家の指導者らは暗殺され、中国に併合されるに至りました。
 中国共産党人民解放軍によって「解放」されるまで、中国とはまったく別の文化や言語、宗教、歴史を持った文化圏を形成してきました。
 
 現在、新疆ウイグル自治区」は、名ばかりの主席にウイグル人を置くことで少数民族による自治が行われているかのように見せかけています。しかし本当の権力は共産党書記が握っており、このポストは常に漢人によって占められてきています。

 また少数民族の同化を目的とした漢族との結婚が奨励され、人口抑制のために産児制限が行われており、さらに数年前からは若い未婚女性を数万人単位で強制的に内地へ移住させています。
 少数民族の伝統的な文化は破壊され、彼らの信仰するイスラム教の宗教活動や、民族の歴史や文化に関する出版活動などが制限されています。学校教育からのウイグル語の追放も徐々に進んできています。
 そしてこれら同化政策の総仕上げとして、大量の漢族の移住が当局の主導の元、現在も進められています。
 地球上からウイグル族という民族が消滅されようとしているのです。
 東トルキスタンは石油、石炭などのエネルギー資源の豊富な地域ですが、その豊かな資源もほとんど全て中央へと吸い上げられ、現地の住民である東トルキスタンの人々にはなんら恩恵をもたらしていません。
 また、住民が住んでいるすぐそばで核実験が何度も行われており、大量の放射能中毒者を出しています。
 このような残酷な扱いに異議を唱える者は、「分離主義者」、「テロリスト」などとレッテルを貼られ、まともな手続きも経ずに監獄や強制労働所に送られています。

 チベットと同じくらいに酷い弾圧を受けている東トルキスタンですが、現地を旅行する日本人の目には、それ程に酷いことが起きていると映らないことが多いようです。政府を批判したことが知られると逮捕されるから、ということもあります。しかし、それ以上に彼らウイグル人の民族的な気質が、虐げられる人々としての暗さを感じさせないということがあります。
 素朴で実直、お客が大好き、歌と踊りが大好きな陽気な人々で、日中に酷いことが起きても、夜にみんなで集まって飲み食いおしゃべりをしたら忘れられる、というくらいに楽天的であるといえます。
 だからこそ、過酷な弾圧下にあって、皆たくましく生き延びてこられたのだと思われます。

 民族的な文化の代表としては、音楽と踊りが第一にあげられます。
 西洋音楽とは異なる音楽理論にマカーム音楽というものがありますが、ウイグル人の伝統的なムカム音楽もその一系統です。20数種類の楽器によるオーケストラであり、2005年には12ムカム(カシュガル・ムカム)とドラン・ムカムとが世界無形文化遺産に登録されました。
 「ウイグルの男の子はしゃべりだす前に歌いだし、女の子は歩きだす前に踊りだす。」といわれるくらい、あらゆるところに歌と踊りがあります。音楽があれば自然と体が動くという人も多いようです。
 
 
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